編集後記

"歩く百科事典" 南方熊楠の見た夢

天才の頭の中、またその行動というのはときに理解しがたく、気になってしまうものだ。

南方熊楠(1867年~1941年)は、日本の博物学者、菌類学者、民俗学者。記憶力抜群で異常な体質と強い体力を持った彼は、同時に奇行の人でもあった。イギリス滞在時、大英博物館員に気に入られそこへ通勤する際にも派手な法衣に袈裟がけ姿で周囲を唖然とさせたり、馬小屋の2階に住んだりもした。世間ではこの奇行が話題にされがちで、本来の学問に対する姿勢や業績はあまり知られていない。


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その熊楠と彼の途方もなく広大な世界をテーマとした展覧会が、ワタリウム美術館で行われている。

1冊の本を読めば外国語がマスターできたという彼は、19ヶ国語を操り、「海外放浪」をして生物世界とその中のひとつでもある人間社会を探索した。そして、「森の生命」の研究により、生と死の問題を考えた。また、自らの精神世界や身体、タブー論や民俗現象の研究も行い「内的宇宙」を見つめ続けた。

彼の目がとらえた森羅万象織り成す世界を見ていると、天才/無才に関わらず、人間はこんなにも自由に発想、行動できるものなのだと改めて気付かされる。


写真:「林中裸像」(南方熊楠顕彰館所蔵)
   1910(明治43)年、和歌山県田辺市に近い林の中で撮影された43歳の南方熊楠。


「クマグスの森」展 ~南方熊楠の見た宇宙~
会期:2007年10月7日(日)~2008年2月3日(日)
開館時間:11:00~19:00 *毎週水曜日は21:00まで延長
休館日:月曜日(12月の月曜日、1月14日は開館)、年末年始(12月31日~1月4日)
入館料:大人¥1,000、学生¥800(25歳以下) ※期間中、何度も使えるパスポート制
会場:ワタリウム美術館 2階、3階、4階&野外展示
   東京都渋谷区神宮前3-7-6  Tel 03-3402-3001


会期中に行われるシリーズ講演会には、茂木健一郎(脳科学者)や池澤夏樹(作家)らが参加し、11月2日には細野晴臣氏と雲龍氏によるライブも開催される。

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