地球を気遣う人間を、大地は気遣う――"エトロカルチャー"のセオリー [ update:2008.05.13 ]

Photo Journal by Tomoko Oka
ファッションショーの招待状に、いきなりジャガイモとは驚き! しかも、ほんものそっくりの色と形に二度びっくり。「ジャガイモが世界中の食糧難をきっと救ってくれる」との発想から、国連の組織の中にある食料農業機関は、2008年を国連ポテト年と定めた。
(写真右)キーン・エトロ氏
世界的ブランド、エトロの牽引者で、現在はメンズコレクションのクリエイティブディレクターを務めるキーン・エトロ氏も、その考えに共鳴。「歳月が畑を耕し、人間の意識の中に古い根をもった本物の価値を深く植え付ける。それこそが、美と文化の表現であり、人々のファッションをめぐる生活習慣を通じて魂を養いたいという願いだ」と述べる。そして2008-09年秋冬コレクションでは、"地球を気遣う人間を、地球は気遣う。地球を気遣う人間を、大地は気遣う"として、自然の恩恵を受けながらも、それに対する敬虔な尊敬の念が欠如した人間に問いかけを試みた。
エトロの創始者ジーモ・エトロの次男で、もともと歴史学に傾倒していたキーンは、大の愛読家であり、書物の中を旅し、そして、実際の旅も好む"人生の旅人"。彼にとってファッションとは、コンセプトや感情、想像を伝達する手段、そして、人々の生活の身近にある服は、その恰好の表現媒体。なんと、コレクション会場は一面に芳醇な赤土がもられた野菜畑。青や赤、オレンジなど様々な色彩の野菜が豊かに実った情景が広がる。あらゆる野菜は、自然を祝福する象徴的スターだと考えるキーンである。さて、その畦道を嬉々として歩いて来るモデル達の服装は?
仲良く並んだジャガイモ柄、野菜や豆のモチーフを挟みこんだチェック柄、ニンジン、ソラマメ、ズッキーニ、豆、唐辛子、ブドウ等々の色彩が錯綜する。物事を深く掘り下げて考える彼だが、めっぽう明るくポジティブな性格が、楽天的なファッション哲学を生み出し、人々を楽しませ、その心を虜にしてしまったのだ。


















