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スウェーデン発の気鋭アーティスト、イルバ・オーグランド日本初の個展 [ update:2008.07.07 ]

スウェーデン発の気鋭アーティスト、イルバ・オーグランド日本初の個展のメインイメージ

Ylva OGLAND(イルバ・オーグランド)《She who shows the Way,》 1.44 Ounce 2008 Oil on Canvas, rock crystal 84x68 cm (including stone) copyright Ylva OGLAND courtesy SHUGOARTS

色味を抑え、最小限の要素で構成された油彩画。その静謐なる世界は、緊張に耐えながら直視する者の心に鋭く突き刺さり、感情を揺さぶってくる。

シュウゴアーツ(東京・清澄白河)では、7月26日(土)まで、スウェーデン生まれ、ニューヨーク在住で昨年注目のデビューを飾ったイルバ・オーグランドの日本初の個展が開催されている。

自分自身と家族をめぐる事柄を表現してきたオーグランドの作品には、健全な良識とタブー、正統な美術史と今日的なテーマの構図、装飾的な表現と際どいモチーフなど、複数の要素が共存している。聖母マリアのイコンに由来するタイトルをもつこの展覧会では、鏡をモチーフにしたペインティングの連作と父親の死に立ち会ったことから生まれたインスタレーションを発表する。

オーグランドは、スネフリード[Snöfrid](スウェーデン語で穏やかな雪という意味)という鏡の中の分身を通じて、今回の新作展のテーマをこう語る。

道しるべの女 - 眠りにつく
過去がいつも目の前にある場所、
未来がいつも目の前にある場所、
現在がいつも目の前にある場所。
空想が現実と同じぐらいリアルな場所、
現実が空想と同じぐらい虚構である場所。

これらの作品にあなた自身の経験を投影し、それによって大きな世界を映し出し、向こう側にある空想世界とかかわってみてはいかがだろうか。


■イルバ・オーグランド 道しるべの女 - 眠りにつく / Ylva OGLAND She Who Shows The Way - Falling Asleep
会期:2008年6月28日(土)~7月26日(土)
開廊時間:12:00~19:00
休廊日:日・月曜日、祝日
会場SHUGOARTS(シュウゴアーツ)
東京都江東区清澄1-3-2 5階 Tel:03-5621-6434
入場料:無料

イルバ・オーグランド オフィシャルWebサイト

「記録装置」から「記憶創造装置」へ―― 写真メディアの多様なあり方 [ update:2008.07.04 ]

「記録装置」から「記憶創造装置」へ―― 写真メディアの多様なあり方のメインイメージ

志賀理江子《Tomlinson Close FC》 タイプ・C・プリント 2005年 Photo courtesy: the artist

小さい頃の思い出の写真、履歴書に貼る身分証明写真、パーティで友達と撮った写真......私たちの一瞬の経験を記録し、記憶を呼び起こしてくれる写真。その範囲は今や、非現実的な映像作品やインタラクティブなヴィデオ・インスタレーションなど幅広いメディアとして、ありえたかもしれない記憶と経験を想像/創造するための装置ともなっている。

東京オペラシティアートギャラリーでは、7月19日から、日本とオーストラリアの10名のアーティストの作品を通して「トレース(痕跡)」の現代における多様なあり方を提示する展覧会「トレース・エレメンツ ─ 日豪の写真メディアにおける精神と記憶」を開催する。

デジタルカメラや携帯カメラの普及に伴い、日常の一部となっている写真。現代社会を生きる私たちの記憶、自我、精神、身体の知覚、個人または集団の歴史に、写真メディアが及ぼす影響を探ってみたい。

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麻田浩《四方・光》 油彩,キャンバス 1995年 個人蔵

同時開催の特別展も見逃せない。古典絵画に学んだ写実的技法による、宗教的な精神性を秘めた麻田浩(1931~97)の画風は、見る者の心の奥底に潜む感情を揺さぶる力を持っている。(展示スペース:4Fギャラリー3,4)

また、若手作家を紹介する「project N」では、日本画の手法を用いながら、屏風を思わせる横長の画面に、日本画らしからぬちょっととぼけた独特の世界を作り出す近藤恵介(1981年生まれ)の作品も必見だ。(展示スペース:4Fコリドール)


■「トレース・エレメンツ ─ 日豪の写真メディアにおける精神と記憶」
会期:7月19日(土)~10月13日(月)
会場:東京オペラシティアートギャラリー(3F ギャラリー1・2) 
東京都新宿区西新宿3-20-2
Tel :03-5353-0756
開館時間:11:00-19:00(金・土は11:00~20:00)※最終入場は閉館30分前まで
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)、8月3日(日)
料金:一般 ¥1,000、大学・高校生 ¥800、中学・小学生 ¥600(中・小学生は土・日・祝無料)

伽羅人形に宿る“人”の感覚 たかはしじゅんいち写真展 [ update:2008.07.02 ]

伽羅人形に宿る“人”の感覚 たかはしじゅんいち写真展のメインイメージ

©Junichi Takahashi

写真家20年、そして通算4冊目となるたかはしじゅんいちの写真集が新たに発売される。人形作家・伽羅(から)の作品を撮り下ろした「人形見-ヒトガタミ-」(木耳社)。

本写真集の発売を記念して、たかはし氏がNYで撮りおろした写真展「Afterimage-New Yorkの気配/ Atmosphere」と、伽羅人形と写真集のOff Cut版も展示する「伽羅人形-人形見memendolls展」の開催が決定。7月7日より19日までの間二部構成で展開され、また、写真集も会場にて販売される。

"妻が欲しいという望み"が強くなり、独学で球体関節人形「妻」を作りあげた人形作家・伽羅。「妻」完成と同時期に"自分たちをつくれ"という、お告げのような不思議な体験をしたという。以来、その後も精力的に人形たちを世に生み出している。伽羅の作る"球体関節人形"はその名の通り、体の関節部分に球体を入れることによって自由な動きを可能にした人形。身長約120センチというそれらの人形たちは、かつて日本人が明治~戦前昭和に着ていた着物をそのまま身にまとい、失われつつある日本の美を見る者に向かって無言で語りかける。

その人形たちが、NYを拠点に"人"を撮り続ける写真家・たかはしじゅんいちを介して見せるものとは――。人形に特殊とも言える感覚を持つ日本人だからこそ感じる"なにか"が、そこにはある。

0703_1.jpg©Junichi Takahashi


■伽羅人形写真集「人形見 memendolls」
人形:伽羅
写真:たかはしじゅんいち
出版社:木耳社
価格:¥5,000(予価)


たかはしじゅんいち写真展&伽羅人形出版記念展
【第一部】
たかはしじゅんいち写真展 「Afterimage-New Yorkの気配/ Atmosphere」
期間:7月7日(月)~12日(土)
【第二部】
写真集出版記念展示「伽羅人形-人形見memendolls展」
期間:7月14(月)~19日(土)

会場:Live&Moris Gallery
東京都中央区銀座8-10-7東成ビル地下
Tel:03-5537-0023
営業時間:12:00~19:30 (展覧会最終日のみ17:30まで)
休廊:日曜日(但し開催期間中の祝日は営業)
入場無料

【関連情報】
レセプション&ギャラリートーク
7月7日(月)18:00~20:00 写真家・土屋勝義氏を招いて「写真」トーク
7月9日(水)18:00~20:00 文筆家・新元良一氏を招いて「NY」トーク
7月12日(土)17:00~19:00 写真家・たかはしじゅんいち、人形作家・伽羅ギャラリートーク
7月12日(土)19:00~21:00 レセプション・パーティー

たかはしじゅんいち オフィシャルWebサイト
伽羅 オフィシャルWebサイト

美人画家・竹久夢二が描いた“子どもの世界” [ update:2008.06.30 ]

美人画家・竹久夢二が描いた“子どもの世界”のメインイメージ

(左から)「ことり」 印刷 昭和2年、「姉と弟」印刷 大正2年

「夢二式美人画」と言われる、センチメンタルな画風の女性絵で我々を魅了する、大正ロマンの画家・竹久夢二(1884-1934)。美人画を得意としたことで広く知られている夢二だが、明治以降の児童文化の形成において、世間に浸透する前から積極的に取り組み、雑誌等の出版物を通じ、子ども向けの作品を数多く残すなど、発展に大きく寄与している。

7月4日より竹久夢二美術館で開催される本展では、夢二が残したノスタルジックでモダンな童画・童謡・童話を中心に、250点の展示を通して彼の「子どもの世界」を紹介。夢二自身の幼き日や彼の三人の息子たちへの思い、また子どもたちの暮らしを反映させた作品から、ある時は和やかで郷愁に包まれた情景を、また一方で最新の流行を意識した風俗を感じ取ることができる。

0630_1_s1.jpg「お客さま」 印刷 昭和2年

特に童画においては、絵本をはじめ、依頼された子ども向け雑誌の表紙絵からふろくの双六、さらに日本画や書籍装丁のデザインまで、積極的に創作活動を行っていたという。そこに描写されているのは、日常生活に見る子どもたちの姿である。古きよきノスタルジックな暮らしぶりから、流行の装いを取り入れたモダンな装いの子どもたちまで幅広い明るい色彩が特徴で、夢二が子どもに寄せる優しい眼差しが画面に現れている。また、三人の子どもを持つ父親の顔も垣間見れることだろう。

明治38年末にデビューした直後から子どものための絵を描き、さらに童謡・童話にも力を注いだ竹久夢二。あまり知られていないその作品の魅力に触れてみてはいかがだろうか。

0630_1_s2.jpg「童謡と楽譜」 印刷 大正15年


■「竹久夢二 子どもの世界展」
会期:7月4日(金)~9月28日(日)
会場:竹久夢二美術館
東京都文京区弥生2-4-2
Tel:03-5689-0462
休館日:月曜日(祝日にあたる場合は翌火曜日)
開館時間:10:00-17:00 ※入館は閉館時間の30分前まで
観覧料:一般¥800、大・高生¥700、中・小生¥400 *弥生美術館もご覧いただけます

【関連情報】
学芸員によるギャラリートーク
開催日:7月13日(日)、8月10日(日)、9月14日(日)
時間:15:00-16:00
※申込み・参加費不要

リチャード・セラが創造する巨大彫刻 MONUMENTA 2008 [ update:2008.06.26 ]

リチャード・セラが創造する巨大彫刻 MONUMENTA 2008のメインイメージ

© Photo Lorenz Kienzle - Tous droits réservés Monumenta 2008, ministère de la Culture et de la Communication

Grand Palais(グラン・パレ)のガラス建築を突き抜けてしまうかのように、巨大な鋼鉄鉄板が5枚、直立する。これは、昨年より恒例イベントとなったMONUMENTAで、2008年の招聘アーティスト、Richard Serra(リチャード・セラ)が、今展のために制作した作品である。

1983年に、ポンピドゥー・センターにて個展をして以来、パリでの大規模インスタレーションとなったセラは、記者会見の席で、静かに語った。「一つの造形が、他の造形に変容していく過程を観察した制作活動に関心を持ち続けている。だから、空間や環境に呼応する作品には、 "感動"という言語が適用されるのであろう」。

通常、屋外に設置される作品を手掛けるケースが多いのだが、「グラン・パレのように巨大建築空間の中心軸を考慮した上で、室内空間の"間隔"を強調するために、垂直造形と高さで表現した」と言う。セラは、「朝日が柔らかく差し込む時間帯の作品に共感する」と言うが、建築構造の影が平面に映りこむ時間帯も、お勧めである。


MONUMENTA 2008 Promenade de Richard Serra
会場:La nef du Grand Palais


text by kaoru URATA

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