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日本を代表するプロダクトデザイナー、柳宗理の父が目指した“民芸精神” [ update:2008.10.27 ]

日本を代表するプロダクトデザイナー、柳宗理の父が目指した“民芸精神”のメインイメージ

片口容器 木に漆 石川県(江戸時代) ©Nihon Mingeikan,Tokyo

最も尊敬される日本人デザイナーの一人に、柳宗理がいる。インダストリアル・デザインの先駆者は、「デザインは、作家個人のエゴを表現するのではなく、大衆に無名で提供するものである」ことを提唱し、かつ、父親である柳宗悦がおこした"民芸"精神を継承することで、日本のモダンデザインを開拓した。今世紀の現役デザイナーへも「アノニマウス・デザイン(無名デザイン)」は、受け継がれ、デザイン活動のプロセスに導入されているケースもある。

本展、 「L'esprit MINGEI」(=民芸精神)は、柳宗悦が生涯をかけて取り組んだ課題である。20世紀前半、白樺派に所属し、当時の文学や西洋美術に興味を抱く知識人たちと出版物も手がけた。民芸精神は、単なる装丁ではなく、紙質や布地、タイポグラフィーへのこだわりなど、細部にまでメッセージを行き渡らせた。そして、1914年には民衆工芸の美について述べている。沖縄、台湾、韓国、そしてアイヌ民族芸術といった当時の国粋主義的な観点で芸術を位置づけていた日本に、柳宗悦は新たな観点をもたらした。民族芸術への偉大な関心と研究心は、今日も多くのデザイン業に携わる人々に根付いている。そして、当時日本産業省は、海外からブルーノ・タウト(ドイツ)、シャルロット・ペリアン(フランス)、イサム・ノグチ(米国)を招聘して、日本工芸を輸出するためのアドバイスを依頼。滞在中に、彼らが生活を通して感じた日本が、数々のプロダクツに残された。

1027_2_s1.jpg柳宗悦 ©Nihon Mingeikan,Tokyo

「伝統は、過去のオブジェを意味するための言葉ではない。それゆえ、伝統を上手に継承し発展させることこそが、真の創造であろう」という力強い柳宗悦の言葉が、ここフランスでも伝わっていくことだろう。日仏友好条約150周年を記念すべきメッセージでもある。

1027_2_s2.jpg醤油さし 陶器(1956年) ©Nihon Mingeikan,Tokyo


■「L'esprit MINGEI au Japon」
会期:2008年9月30日~2009年1月11日
会場:Musée du quai Branly
37 quai Branly 75007 Paris


text by kaoru URATA

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