スウェーデン作家 Hilma af Klintが描いた世界 [ update:2008.05.16 ]

(写真)ストックホルム ロイヤル・アート・アカデミーにて撮影されたヒルマ・アフ・クリント(1882-1887頃)
©Académie Royale des Beaux-Arts, Stockholm
1986年、ロサンゼルスで開催された「The Spiritual in Art : Abstract Painting 1890-1985」展にて、Hilma af Klint(ヒルマ・アフ・クリント)の作品が、カンディンスキー、マレヴィッチ、モンドリアンに並んで展示された。没後40年後のことである。生前から、秘教的な作品を手掛けたヒルマ・アフ・クリントは世間が作品を理解するまでには時間を要することを見据えた上で、死後20年間は一般公開をしないことを遺言に残した。
4月11日から、パリのスウェーデン文化センターでは、ヒルマ・アフ・クリント財団の協賛を得て、1907~1919年の時代をメインに60点の作品を公開。並行に、5月7日からポンピドゥーセンターではじまる「Traces du Sacré」展においても数点が展示される。ヒルマ・アフ・クリントが表現する世界には、「自然と非現実」「肉体的で精神的」「男女」と対極要素がバランスよく溶けあう。
(写真)SUWシリーズ、グループ9、Le Cygne(1914-1915)
©Tha Hilma af Klint Foundation
図像を崇拝するカトリック教では、不可視の存在を信仰することは受け入れられにくい。第二次世界大戦後、米国を拠点にシャーマニズム(神霊とコミュニケーションする宗教現象)は、現代アートの創造を支えた。新しい己を目指した20世紀初期の発想と異なり、己を内から改革していくことを学ぶ手段して、アートの世界にも影響を及ぼした。
世界情勢が安定しない昨今、その原因となる要因の一つが「宗教」でもある。宗教はあらゆる紛争の要因であり、その存在はタブー視されてきた。これらの展示会に寄せられる反応に注目したいところだ。
■Hilma af Klint「une modernité révélée(明かされる現代)」展
会場:スウェーデン文化センター
Hôtel de Marle
11 rue Payenne 75003 Paris
会期:2008年7月27日まで
■「Traces du Sacré(聖なる形跡)」展
会場:ポンピドゥーセンター
会期:2008年5月7日~8月11日
text by kaoru URATA









